養護老人ホームとは？

養護老人ホームは、身寄りがなかったり収入が少なく生活に困窮している高齢者を一時的に受け入れる場所のことです。中〜重度の要介護高齢者が身体介護や生活支援を受けるために長期的に入居する特別養護老人ホームとは明確に目的が異なり、養護老人ホームは頼れる身内がいなかったり経済的な事情などがあり、さまざまな困難を抱えている高齢者が食事を中心とした健康面のサポートをしながら、社会復帰を目指すことを目標としています。入居者が自立した生活を送ることができるようにサポートすることが目的なので、食事や健康管理などはありますが、介護サービスを受けることは基本的にはできません。

入居条件や費用は？

養護老人ホームの入居条件は、６５歳以上の高齢者であらゆる事情で生活環境や経済的に困難を抱えていることが条件です。高齢者側と施設側が契約を交わして入居する特別養護老人ホームとは違い、市町村などの各自治体によって厳しい審査があります。つまり、養護老人ホームに入居するためには、経済状況などの厳しい基準をクリアして初めて入居することができます。
養護老人ホームの費用は、前年度の年収によってきまるため、１ヶ月の費用は０〜１４万円までと幅があります。入所時の一時金はありません。また、被災したり生活保護法の適用を受けると費用が減額されるまたは免除されます。

サービスは？

身体介護を中心とした自立支援サービスを受けることができる特別養護老人ホームに対して、社会復帰を目指すことを目的としている養護老人ホームには受けることができるサービスにも明確な違いがあります。養護老人ホームで行われるサービスは、主に毎日の食事の提供や健康面の管理などです。必要があれば、支援員が入居者の社会復帰を促すための経済面に関するアドバイスや機能訓練、クラブ活動や地域との交流を目的としたレクなどが行われることもあります。基本的には自立支援のみで介護は行われませんが、介護の状態に陥った高齢者には施設が契約する事業者から介護サービスを利用することが認められています。