目次
特別養護老人ホームとは?
特別養護老人ホームは、一般には特養と略称されていますが、中度から重度の介護を必要とする高齢者を対象とした介護施設のことをいいます。いっぽうで養護老人ホームとは、生活環境または経済的に困窮していて、在宅での生活をすることが困難な高齢者を対象としており、その自立と社会復帰とを目的としている施設です。したがって養護老人ホームはもともと介護の有無にかかわりなく高齢者に生活の場を提供していたわけであり、その一類型としてあとから要介護者の介護を目的とした特別養護老人ホームが生まれたといういきさつがあります。
入居条件や費用は?
特別養護老人ホームの場合には、養護老人ホームとは違って中度から重度の要介護者であることが条件であり、原則的に介護保険でいう要介護3以上がその対象とされています。ただし認知症のために日常生活に困難をきたしているなどのやむを得ない理由があれば、市町村の判断により要介護1や要介護2の高齢者の特例入所が認められることもあります。公費が支給されるため一般的な民間の有料老人ホームとは違って自己負担の費用は比較的安くすむのが特色ですが、多床室やユニット個室などの部屋のタイプによって、また世帯の所得状況によって違いがあります。
サービスは?
特別養護老人ホームは介護が目的であるために、他の類型の施設よりも充実したサービスが受けられます。基本的に中度から重度の要介護者が受け入れ対象ということを踏まえて、食事・排せつ・入浴などといった身体介護を中心とした自立支援のためのサービスが中心です。入浴については週に数回程度と回数が決められていることが多いものの、それ以外の日であっても身体の清潔を保つために介護職員がタオルなどで身体を拭く、いわゆる清拭をすることがあります。またリハビリテーションやレクリェーションといったメニューも豊富であり、それぞれの施設ごとの工夫が凝らされています。