香典とは?

香典とは、不祝儀袋と呼ばれる香典袋に現金を包み、故人の霊前に供えるものです。日本に古くから伝わる風習で、その昔は故人に対して哀悼の意を表すと共に線香やお花を供えていました。しかし、遺族側としては、葬儀費用に加えて弔問客に対して食事を振る舞う習慣があるため金銭的な負担が大きいものでした。やがて、相互扶助の観点から食事は近隣住民が行うようになりますが、現在のように現金を渡すようになったのは戦後からと、比較的近年に確立されたスタイルとなっています。なお、香典を貰ったら香典返しをするのが一般的で、半返しが基本となっています。

香典の相場は?

 

香典の金額には明確な相場というものはありません。故人との生前の付き合いの深さや関係性を考慮して額を決めるのが一般的で、血縁関係が近いほど高額になる傾向です。具体的には、故人がご近所だったり顔見知りという程度の3千円~5千円、友人知人の場合は5千円~1万円程度が妥当な金額と言われています。親戚などの場合は1万円~3万円を包むのが一般的ですが、香典は自身の社会的な立場や故人の知名度、葬儀のスケールなどにさまざまな要素によって金額を決定することが多くなっています。また、会社関係などでは職場に在籍する人から少額ずつ集めて連名にする場合もあります。

包み方や渡し方のマナーは?

香典の包み方としては、金額による香典袋の違いがあります。金額が5千円以下の場合は水引が印刷されたもので、3万円くらいまでの場合は水引は印刷ではなく白黒もしくは双銀の香典袋、それ以上の金額の場合は高級和紙で水引も双銀のものを選ぶようにします。名前は水引の下にフルネームを書くことが基本ですが、その際は「薄墨」の筆ペンなどを使用します。中袋には名前の他に住所と金額を書き、渡し方のマナーとして香典袋が折れ曲がるのを避けるため「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布で包み、受付や祭壇に対して表書きが読めるように出すことが大切です。