高齢者向け座椅子とは

年齢を重ねて腕や足の筋力が衰えると、自力で椅子から立ち上がるのが難しくなります。これをサポートするのが、高齢者向け椅子です。
高齢者向け椅子には洋間で用いるタイプと、主として和室で用いるタイプの2種類があります。このうち後者である高齢者向け座椅子は、その名の通り座面をじかに床に置いて使用します。ただし座面の下には電気仕掛けで動くリフトが付いており、スイッチを操作することで上下動するようになっています。

どんな時に役に立つ?

高齢者向け座椅子が役に立つのは、座っていた人が立ち上がろうとする時です。
座椅子に着席する場合、通常は座面の上に膝を折るか、膝を伸ばして前方に足を投げ出すかして座りますが、立ち上がる時は前者の場合はいったん膝を伸ばし、後者の場合は逆にいったん膝を縮める必要があります。この時、座面が電動で上昇することによって、膝にあまり強く力を入れなくてもスムーズに立ち上れるようになります。
また、自力では立ち上がれない人を介助する場面でも、座面が上昇して床と足の間にすき間を作ることで、介助者が手を差し入れやすくします。

どんな種類がある?

高齢者向け座椅子には座面のみが動くタイプの他に、背もたれが動くリクライニング機能が付いたタイプもあります。この機能を利用して背もたれの角度を細かく調節すれば、前かがみになってしまって食事がうまく嚥下できないといったトラブルを解消するのに役立ちます。
また、肘掛が跳ね上がるものや、座面が上下動するだけでなく左右に回転するタイプもあります。これらの機能は、椅子の上から身体をずらしながらそのまま車椅子に移行したい時に使うと便利です。